「僕はずっと前から君を知ってるよ」
両親の思い出
「きりーつ、気をつけ、礼ーーー」
わたしと桃が日直。
それなのに、桃は号令をかける気がない。
桃さーん、あなたは日直ですよ?
そう言いたいが今は授業中である。
「Xをここに代入しーーーyをーーー」
ちなみに、なぜさっき伴奏を断ったのか。
わたしのお父さん、「玲斗」はそれはそれは有名なピアニストだったが、わたしが産まれてまもなく、母が亡くなり、わたしをみる人間がいなくなったので、やむを得なく仕事を辞め、わたしを育ててくれたのだ。
わたしと同じ黒髪で肌が白くてーーー。
桃から言えばわたしはお父さんに依存をしているらしい。
でもそれは悪いこと?
わたしの、お父さんなのに、依存、する事は悪いことなの?