「僕はずっと前から君を知ってるよ」

お姉さんを傷つけた。

きっとお兄さんも傷つけた。

そんなわたしに唯一、笑ってくれた青年、ルーフェス。

わたしのかけがえの無い、優しい青年。


「君」


たったひとこと。

ルーフェスはいつもわたしを君、そのひとことで呼ぶ。

それでも良かった。

名前を読んで欲しかったけど、それでも良かった。

そばにいれることがすごく嬉しかった。

ただ、嬉しかった。
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