「僕はずっと前から君を知ってるよ」
「君には、お姉さん、すこし冷たいみたいだね…
寂しい?」
「いえ、べつにーーーー。
…嘘です。すこし、すこしだけーーー」
「うん、すこしだけーーー」
「わたしは…手に入らないものを求めるのは止めにするって決めてるんです。
自分が傷つくだけだから。
辛いだけだから。
わたしが手に入れようとすると、まわりの人が傷つくからーーー。
だから、すがらない。
わたしは何ににもすがらないって決めてる」
「君は強いね…いや、違うか。
辛いまま、傷ついたまま、君はーーー成長してしまったんだね。
君をそんなふうに強くさせてしまったのはーーー大人だ」