「僕はずっと前から君を知ってるよ」
「おっ、おかえりー、莉々葵ー」
「お兄さん、ただいま。
お姉さんはどこですか?」
お兄さんは「二階」と答えた。
なのでわたしは二階に行くことにする。
階段を上がれば父の部屋。
そこを通過し、奥の部屋がお姉さんの部屋だ。
あまり入ったことはないが。
コンコン
ノックをしてみる。
「何」
何、一言そう冷たく放たれる。
ああ、どうしよう。
緊張してきた。
お姉さんに会うのが怖い。
「何、って言ってるじゃない」
「ひっ!?」
なんでお姉さん!
いつも自分からドア空けないのに!
こういう時だけ!?
ねぇなんでですか!
「あの、ももの家、行ってきます…
すこし、遅くなります」
「…そう
リイアちゃんに宜しくね」
無表情でそう言う。
お姉さんは相変わらず凛々しい人だ。
怖い、おそらくそう感じるのはわたしだけではないだろう。