「僕はずっと前から君を知ってるよ」

「るー、フェス…」


「うん、なぁに?」


ゆっくりゆっくり待ってくれている。

わたしが話すのを。

決して、ルーフェスは急かすことがなかった。


「わたしはーーー貴方にあえて変わりました。

貴方のおかげでいまここにわたしがいます。

優しい、懐かしい優しさが貴方にはありました。

それを貴方はわたしにたくさん注いでくれました。

貴方にとっては普段通りでも、わたしにとってはかけがえの無い優しさで、かけがえのない存在でした。」


彼はちゃんと、真剣にわたしの眼をみてくれていた。

水をさすことなく、真剣に。


「貴方がいなかったら大切なものにも気づけなかったと思います。

だからありがとうございました。

それから、最後。

わたしは言わなきゃいけないことがあります。

聞いてくれますか」


「うん、ちゃんときくよ」


風が冷たい。

こたえなんてわかってる。

それでもわたしは貴方のおかげで変われたから。

だから、わたしは伝えたい。

伝えれれば、それでいいから。


届けば、それでいいから。
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