「僕はずっと前から君を知ってるよ」

「……」


ルーフェスは黙ってしまった。

わたしがルーフェスを黙らせてしまったのだ。

わたしが。

わたしがあんなことをいうから。

彼はーーーー。


もう、わたしを嫌いになった。

めんどくさい、って。

きっとそうだ。


「僕も、君に言わなきゃいけない事がある。」


「ーーー」


わたしは何も言わなかった。

彼はとてもせつない顔をしていた。

どうして?

そんな顔しないで。

笑ってて欲しかった。

ふったんだから笑ってて欲しかった。


「僕はほんとうはね、ルーフェスはルーフェスなんだけど、本当は違うんだよ。

君に嘘をついてた。

最初から最後まで。
本当に、ごめんね。

そして、不本意ながら、君を傷つけた。」


傷つけたことなんて、どうでもよかった。

彼が正直に話してくれようとしてるのが、嬉しかった。


「ーーー改めて、

久しぶりだね、僕は結城玲斗です」


わたしはルーフェスが言ってることが理解できなかった。
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