「僕はずっと前から君を知ってるよ」

「りりちゃん」


ーーーー!!


りりちゃんーーー。

お父さんがわたしを呼ぶ時、いつもそう呼んだ。

わたしをーーー


「りりちゃん」


「ルーフェス…は?」


「ルーフェスも僕。

一応、僕ハーフだから、ルーフェスっていう名前もあるだけだよ。

りりちゃん、本当に久しぶりだね」


「お父さん、お父さんなの?」


「うん、そうだよ」


「…っ、うう…っ、ああ……っうわあぁぁ……ぅっ

会いたかった!

会いたかったんだよ!!わたし!

ずっと、すごくすごくーーーお父さんに!」


鳴き声混じりの声。


「うん、僕も会いたかったよ」


あえて良かった、そう笑ってくれた。


「ねぇお父さん…っ

ここにいて……っ

わたしのそばにいて……っ

お父さん大好きだから……っ」


お父さんは困った顔をした。


「ほんとはーー!

わたしの入学式も卒業式も来て欲しかったのーーー

っ、……うわぁああ……っ

授業参観もうちだけこなくてさみしかったんだよ……っ」


「うん、ごめんね

僕もみたかったよ」


わたしを抱きしめてくれるお父さんはとても温かくて。

お父さんの匂いがした。


「りりちゃん。

僕から1つ、お願いがあるんだ」


「な、に……っ?」

< 63 / 67 >

この作品をシェア

pagetop