「僕はずっと前から君を知ってるよ」

そして風が吹く。

次第にお父さんの姿は消えゆく。


「お父さん!」


「玲……っ」


「りりちゃん、大きくなったね。

たくさん一緒にいてあげられなくて、ごめんね

でも忘れないで。

僕はいつでもりりちゃんの見方だよ。」


お姉さんは最高まで笑おうとしていた。

わたしはもう、笑えなかった。

顔をグチャグチャにした。

たくさん泣いた。

お父さんはまた、困った顔をした。


「僕の大切な一人娘、りりちゃん。

僕のこと忘れないでいてくれて嬉しかったよ、ありがとうーーー」


そう言った貴方が消える姿は美しかったーーー。
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