セクシーな女神・ゴーインな戦士
こんな調子で討論が続いちゃって、

すべての競技種目の概要が決まったのは、8時を回った頃だった。


祐介はなんとか頑張ったけど、石丸さんは体力の限界。

ぐったりと机にうつ伏せている。



「今日中にタイムテーブルまで決めちゃいたかったですね」


気だるく荷物をまとめながら、祐介が悔しそうに言った。

今日は金曜日だ。


「明日うちに来れば?ランチ食べながら話そう。母のオットが、カフェで出すようなの作ってくれるんだ」

「それは、ありがたいな。土日は姉が子連れで来るから、家が戦場で…」


大宮が不機嫌な声を出した。


「オイ…勝手なことするな」

「別にいいでしょ。決定はここでするよ」


それでも納得いかない顔で、私を見ている。

かまわず出て行こうとした。



「待て」


振り返った。


「なに?」

「二人で話したい」


石丸さんが顔を上げた。


「なにを話すの?」

「二人にしてくれ」

「だから、なにを話すのって!」


祐介が私を見た。

私はうなずいた。


「行って」


祐介もうなずくと、すぐに出ていった。


居場所のなくなった石丸さんは、それでも腰かけたままだったが、

私たちの視線に耐えられなくなったのか、

黒髪をなびかせて部屋から出ていった。
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