セクシーな女神・ゴーインな戦士
哀愁のあるフラメンコギターのイントロが流れた。

地味な紺色のスーツ姿に、観客はちょっと戸惑った顔をしている。


イントロが終った途端、アップテンポな曲調に変わる。

ジャケットを後ろへ脱ぎ捨てた。

それだけで、客席から口笛が飛ぶ


最初は、ソロで息を合わせて踊る。

深見の生徒が、驚いた顔で身を乗り出している。


マジメなだけだと思ってた秀才くんが、

ダンスしてるっていうことが信じらないらしい。


間奏に入った。



私は白いシャツの前をはだけ、

祐介はネクタイを投げ捨てた。


たったそれだけなのに、

キャーーーーッ!と言う歓声が上がる。


ここから、パートナーとの絡みが始まる。

ジャイブ特有の足を後ろに跳ね上げる動きが続く。


もう観客を見ている余裕はない。


ひたすら祐介と呼吸を合わせる。



…コイツ、超カッコいいじゃん!



マジメな人間特有の余裕のない表情が、最高にセクシーだ。

グッと引き寄せられる手を支えに、のけ反る。

自然と笑みがこぼれた。


「そんな顔…し、て」


祐介が言った。


「怒られ、る、よ」


衣装がはぎ取られる。


客席から、大歓声と悲鳴の嵐。


「きゃあああああっっ!」

「うぉおおおおおおおっ!?」



シャツとスカートの下は、ジャイブ用の金色ドレス。

太股もも見せまくりの超ミニスカ、

背中から腰までパックリ開いているホルターネック。


祐介は、上半身ハダカ。


流れに乗って、踊って踊って踊りまくる。

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