セクシーな女神・ゴーインな戦士
退院してすぐに、祐介とノドカがやって来た。


「学校、いつから来れそう?」

「来週には」

「みんな待ってるからね。心配しなくていいから」

「うん」

「ちょっとぉ!なんで自分のだけ出すの~!?」


和菓子を皿に乗せて戻ってきた祐介に、ノドカが文句をつけた。


「こっちの方が賞味期限が早い」

「早く食べないといけないものをお土産にしないでよーっ」


学校か…

みんな、どんな顔するかな。

かわいそーみたいに見られるの、嫌だな。


ノドカがトイレに立つと、祐介が言った。

「ノドカに聴かれると怒りだすから、言わないで下さい…大宮くんが会いたがってます」


大宮か。

あの頃が夢みたい。


「気にしないでって、言っといてよ」

「そういうんじゃないと思いますよ。覚えてないかもしれませんけど、相手全員なぎ倒して、誰も手がつけられないほど暴れたんですから」

「うっすら、覚えてる」

「あの騎馬、ラグビー部と柔道部だったんです。アッサリ大宮くんに負けて、みんな強制退部ですよ」

「あんな奴らに、大宮が負けるわけない」

「ほら…大宮くんのこと気になってるじゃないですか」


ノドカが部屋に戻ってきた。


「ねぇ、本当に来週待ってるからね」

「分かった」


祐介が言った。

「yesでいいですね?」

「分かんない」


ノドカが首をかしげた。

「なんのこと?」


祐介がごまかすように、和菓子の説明を始めた。
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