セクシーな女神・ゴーインな戦士
目が覚めたら、ターミナル駅にいた。

また人の手を借りて、コンコースへ上がる。



まさか…


違うよね…


「どこに行くの?」


ようやく聞いた。



「まさか正賢じゃないよね?」

「そう」



行って、どーすんの!?

大宮のことだから、運動でもさせるのかと思ったのに。


大宮は、何も言わずに乗り換えの改札口へ向かった。



「行かない」

私は、言った。



「行けないよ」

「担いででも行く」


やっぱりね!

そうくるよね!



「知ってるでしょ!?騒ぎ起こして、高等科に行かなかったの!」

「退学じゃない。行くぞ」

「行けないの!」


車椅子が背後に傾いた。

すごいスピードで、改札を通り抜ける。


「ずるい!このバカッ!ゴジラッ!」

「ざまーみろ」


残念なことに…

本当は良いことなんだけど…

乗り換えの駅は最新式のバリアフリーで、

人の手を借りなくても悠々電車に乗れた。



…ていうか、乗せられた。



「正賢でテニスでもするの!?」

「一度、行きたかった。正賢の試合見てたら、シュート力はあるのに、ディフェンスがメチャクチャで、どんな指導してるんだって……」

「どーでもいい!本気でどーーーーっでもいい!!」


大宮は、乗りなれない電車内を観察するのに夢中。

「変なポスター……」


こっちはこれだけ熱くなってるのに!!

ああっ!熱くなってしまった!

どーしてくれるの!?



今度は大宮がグーグー寝始めた。
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