小さなあたしを輝かしてくれたあなたへ
「せっかく来て下さったじゃけん、顔だけは見せにゃ!」

じぃちゃんが言う。

あたしは自分の身支度て追われてイライラしたけど

確かに保険屋さんには関係ない話だ

顔は見せないと失礼になる。

「はーい...」

あたしは面倒くさそうに返事をして階段を降りた。

階段を降りながら『ハゲたおじさんかな?』なんて保険屋さんを想像しながら

玄関へ行くと

そこにはあたしの想像とは全く違う

背は高く、歳はあたしとほとんど変わらない男の人が立っていた。

「おはようございます平田です。」

爽やかに彼があたしに挨拶する。

『かっこいいなぁ。』

第一印象は素直に良かった。

でも、この人好きになるなんてことは全く感じもしなかった。
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