一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》


あれから数日間、あたしの熱は続いた。その間、蓮さんはずっと看病してくれていた。


蓮さんはあたしに何も尋ねない。


病気なのかとか、聞きたい事は沢山あるはずなのに何も聞かないでいてくれる。その何気ない優しさが嬉しかった。



「お前は寝てろ。俺が看病する」


少し体調が良くなってきたあたしが、ベットから出ようとすると、それを制して自分が看病すると言い出した蓮さん。


「えと、もう大丈……」

「駄目だ」


不安だ…不安すぎるよ!!蓮さんはタバコ一つで火事を起こせる人間国宝なんだよ!?


看病する前にじゅうたん火事が起こるよ〜!!


ハラハラしながらキッチンへ向かった蓮さんと家を案じていると、何やら台所から不審な音が聞こえた。








< 106 / 181 >

この作品をシェア

pagetop