一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
消えない傷に流れる涙
「…久しぶりだな」
あたしの体調が回復して、久しぶりに狼牙の皆に会いに来ていた。
蓮さんはあたしの手を引いて倉庫の中へ入る。すると、中に皆の視線がバッとあたし達に集まる。
「…そ…総長ーーっ!!夢月さーん!!おはようございます!!」
あたしと蓮さん以外のその場にいた人達がいっせいに頭を下げた。
「わっ…」
慌てて耳をふさぐ。倉庫中にゴワゴワと声が響いた。
「…行くぞ」
「えっ…あっ…」
蓮さんに手を引かれるまま、ズカズカと中へ進む。
それからドカッと大きなソファーに座った。
「…蓮さん、一昨日他の族の奴らが総長の留守を狙って奇襲しかけて来たんすよ!!」
「そうか」
「そんで、一発俺くらわせてやって……」
「………………」
興奮したように話しているタケさんを無視して、蓮さんは昼寝を始める。