一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「…蓮さんの居場所は蓮さんのいたい所だよ。自由になりたいなら…逃げちゃえばいいんだから!自分の人生は、他人が決めた人生じゃないよ」
誰にも自分の人生を決める権利がある。それは、他人が決めていい事じゃない。
「…夢月……ククッ、やっぱりすげーな」
結構真剣に言ったつもりなのに笑われてしまった。
「れ、蓮さんっ!?」
「…なんでかわからないが…。夢月が言うと説得力あるな」
蓮さんは座っているあたしの頬を撫でた。
「蓮さん……」
「…お前は…傍にいてくれるか…?」
蓮さんの手に自分の手を重ねようとしていた手が止まる。
「…え……?」
「…お前だけは…手放せる自信がない…」
蓮さんの言葉に鼓動が速くなる。手放せる自信がない、そこまで、蓮さんは、あたしを想ってくれてる。
じゃあ、あたしはどこまで、蓮さんを好きになってる?
この命が尽きて、蓮さんを置いていった後、蓮さんは誰かにまた恋をして、こんな風に触れるかもしれない。
それを許せるほど、あたしは寛大にはなれない。
そう、あたしもきっと、蓮さんを手放せない。
「…蓮さん…」
ーグイッ!!
突然腕を引っ張られて少し腰が浮いたその瞬間ー…。
「…んっ…」
唇に何かが触れた。柔らかくて…温かくて…。
これは……唇……?
蓮さんの前髪が頬をくすぐる。
あたし…蓮さんにキス…されてるの??