一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「話さない、つもりだったのか…?」
「…あっ…」
蓮さんは悲しんでいるような、怒っているような…とにかく色んな感情が入り混じったような瞳であたしを見ていた。
「…お前は俺から離れていくのか…?」
「……それは……」
あたしは蓮さんが好き。でも、その気持ちに素直に従うなんて事は出来ない。
「…蓮さん…。蓮さんにはあたしなんかといたら、きっと辛い思いを……」
蓮さんがあたしを好きなら…必ず蓮さんを苦しめる。
「…お前が言ったんだろ…。自分の人生は他人が決めていい事じゃないって。俺が望んでるのは…お前の傍にいる事だ……」
「…それはっ…駄目!!あたし…死んじゃうんだよ?」
先が無いあたし…先がある蓮さん…。
蓮さんには先がある人と…蓮さんを置いていかない人と一緒に歩んでいったほうがいいに決まってる。
その隣を歩く人があたしじゃないのが悲しい。それでも蓮さんが幸せならそれでいい…。