一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「うん、覚えてるよ……」
あたしはあれを見て、一生着る事はないだろうなって思ったのを覚えてる。
「俺が、お前もこういうの興味あるのかって聞いた時、お前、こればっかりは無理だって笑ってただろ」
「そう……だったっけ…」
あたし、そんな風に言ったんだ。
「夢、持ったっていいだろ。叶うか、叶わないじゃねぇ、信じるかだ」
「信じるか……」
「俺との未来を信じろ、想像しろ。そうしたら、もっともっと生きたいって思わないか?」
蓮さんとの……未来。
一緒にデートしたり、いつかは結婚して、子供もほしい。それで、よぼよぼのおばあちゃんになるまで、蓮さんと…。
「あたし、ずっとずっと蓮さんといられるかな…?」
ポロポロと涙が溢れて、それでも蓮さんを見つめた。
「俺といるんだ、ずっと……」
蓮さんはあたしを強く抱き締めた。
「先にいくなんて絶対に許さねぇ。夢月は、俺とずっと一緒だ」
あたしが諦めない限り、可能性はあるのかもしれない。
蓮さんは、あたしと生きていくって言ってくれた。ならあたしは、蓮さんの為に生きなきゃ。
この日、あたしは変わらないと思った運命を、変える決意をした。