一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
手紙
雪がまだ積もり、寒さを残した12月。あたしは、病院で、過酷な抗がん剤治療と戦っていた。
「夢月ちゃん、今日は雪が降りそうよ」
そう言ってあたしを診察する博美さん。博美さんは、あたしが入院している病院でもお医者さんをしていたのだ。
「…本当だ………」
窓の外を見つめても、葉もつけていない寒そうな木が見えるだけ。起き上がろうとしたけど、体が思うように動かなかった。
「…体はもう…ボロボロみたい」
いつかこうなる事はわかってた。こうして体が悲鳴を上げているのが証拠だ。
「…夢月、体の具合は…大丈夫…なわけないよな」
喜一お兄ちゃんは優しくあたしの頭を撫でる。酷くやつれた顔。沢山辛い思いをさせてるんだ…。
喜一お兄ちゃんにも、豊さんにも、そして…蓮にも。