一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「きっと、夢月ちゃんを変えてくれた人が、いたんだね」
豊さんの言葉に、あたしは笑った。
「うん、あたしの人生を変えてくれた人なんだ」
そう言うと、豊さんは頷く。
「夢月ちゃんは、幸せにならなきゃ。ママやパパの分も、その人の為にもね」
そう言って、病室を出ていく豊さんの背中を見送る。
そして、あたしは机に向かった。
まずは、何を書こうか。蓮との思い出をひとつひとつ思い出す。
「蓮と星を見たり、買い物をしたり…本当に幸せな時間だった…」
例えあたしの一生が短いモノだったとしても、その短い中であたしは沢山沢山幸せになれた。
長い一生をただだらだらと生きるよりずっと幸せな生き方だったと思う。
この病気がなければ、蓮には出会えなかった。
この病気もあたしの一部だから…
あたしは後悔なんてしてないし、悲しい一生だったなんて思ってないんだよ…。
それを蓮にも分かって欲しい。あたしはすごく幸せだったんだって事。