一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》




「手紙、書き終えたんだな」


あの日、手紙を書き終えた時、あたしはそれを喜一お兄ちゃんに預けた。


「うん……」


そして、あたしは自分が書いた手紙を読んでみる。


蓮へ

蓮、あたしは蓮と出会って、初めて本当の幸せを手にする事ができた。


『結婚しよう』って言ってくれた時、こんなに幸せでいいの?って思うくらいに幸せで、涙が止まらなかった。


この世界で蓮だけをずっと愛してる。光りが強すぎるこの都会で何よりも蓮は輝いてた。


あたしを照らしてくれた。あなたはあたしの『1番星』でした。


このリングに刻まれた『永遠の愛』、魂だけはずっと蓮の傍にいます。


蓮がいつか、新しい誰かと愛を分かち合えるその日まであたしは蓮の傍にずっといる。


だからあたしは…蓮を愛する気持ちを持って…この誓いを忘れません。 


今度はあたしが…蓮を照らす『1番星』になってずっと光り続けるよ。


蓮が悲くて、苦くて…押し潰されそうになった時は空を見上げて下さい。


どんな星よりも早く、どんな星よりも明るく輝いて蓮を照らすから。


これでお別れです。誰よりも蓮を愛してるよ…。誰よりもあなたの味方です。


夢月より。


「星に……なるから、空を見上げてって…」

「え?」

「ううん、何でもない。少し、弱気になっただけ」


そう言ったけど、本当は、怖かった。


もしもの時に、蓮がこの手紙を読む事になった時に…。蓮は、きっと泣くんだろうって。

















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