一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
目覚めた先にある希望
『ねぇ夢月?』
懐かしい、大好きな人の声が聞こえた。
「ママ」
もういないはずのママの声、何度も見た夢。
『夢月……』
「パパ」
パパの声だ。
あたしはいつものように、体を起こし、星空の下に立つ。
『夢月…』
「ママ……そこにいるの?」
"人は死ぬと星になる"
あたしは、星空に話しかけた。
『夢月、帰りたい場所は見つかった?』
ママ………。
「うん、あたし、見つけたよ」
蓮さんの所に、そして、豊さんや喜一お兄ちゃんのいるあたしの、もうひとつの家族の所に。
『夢月、もう1人じゃないんだな』
パパ……。
「うん、あたしには、大切な人が、たくさんいるんだ」
今まで気づかなかったけど、あたしはたくさんの人に、支えられてきたんだ。
「ママとパパの事、すごく大好きだった。だけど、まだ一緒にはいけないみたい」
あたしは大きく星空に手を振った。
「待ってる人がいるから!!」
だから、バイバイ。あたしの大好きなママとパパ。
星が強く輝いた気がした。まるで、祝福してくれているように思えた。
「夢月……」
あぁ、あたしの大好きな人の声がする。
あたしの、帰る場所………。