一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
あれから3ヶ月。あたしの病気は、完治した。退院し、高校へも復学出来る程に回復した。
そして今日は、あたしの卒業式。
「夢月ーっ!!」
親友の亜里沙があたしに、駆け寄ってきて、抱きついてくる。
事後報告にはなったが、あたしが病気だったことを、亜里沙には話した。
「夢月と、こうやって卒業できて本当に嬉しい」
「あたしも、嬉しい」
本当に、何もかも叶わないと思ってたのに……。
舞い散る桜に、春が来たんだと、感傷深くなった。余命3ヶ月、春なんて迎えられないって思ってた。
「夢月を変えてくれた人に、感謝してるんだあたし」
亜里沙はそう言って、あたしに笑いかける。
「その人のおかげで、あたしはまた、夢月のこうして一緒にいられるんだから!」
「亜里沙………」
あたしは、どうして今まで気づかなかったんだろう。
こんなに大切な親友がいて、家族がいて…。何も、見えてなかった。