一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「おかえり、夢月。父さんが寿司の出前とってたから、早く食べようぜ。……秋武さんも、どうぞ」
どこか、よそよそしい喜一お兄ちゃんに、あたしは苦笑いする。
「………」
対面3秒で撃沈する蓮は、下を向いて落ち込んでいた。
「蓮、ありがとう」
「?」
あたしの言葉に、蓮は首をかしげた。そんな蓮の手をとって、あたしは中へと促す。
「ここにくるの、すごく勇気がいったと思う。でも、こうして、あたしの大切な人にあいさつしてくれるの、すごく嬉しいよ」
感謝でいっぱいだった。そりゃあ、上げたらきりがないけど、今のあたしは、蓮がいなかったら存在しなかった。
「あたりまえだ。夢月は、俺の嫁になるんだから」
そう言って笑う蓮に、あたしも笑顔を返す。
「お2人さん、早く中においで」
豊さんに呼ばれて、あたしたちは居間へと座る。
不思議、ここはあたしの家だったはずなのに…今は、あたしの家じゃないみたいに緊張する。