一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「お前的に言うと、俺だけの1番星だな…」
「え……?」
あたしを抱きとめた蓮は、ふいにそう呟いた。
「お前は、おれの世界の中で、1番強く輝いて、惹き付ける」
「蓮……」
それは、あたしも同じだった。
光が強すぎる都会で、何よりも輝いていて、この広い世界で、こんなあたしを見つけて照らしてくれた。
「蓮も、あたしの1番星だよ…」
余命3ヶ月と宣告された18才のあの夜。あたしは、全力で、命がけの恋をした。
「蓮は、あたしに光をくれたんだよ」
あたしに、未来というありえない希望を抱かせてくれて、それを叶えてくれた人。
だから今度は…あなたを照らす『1番星』になりたい。都会の光になんて負けない、どんな光より強く輝くよ。
「蓮が、進む道に迷った時、望んだ答えが、誰にも受け入れられなかったとしても…」
「夢月……」
「あたしは、あたしだけは、いつだって蓮の味方だよ。蓮が、蓮のしたいように進めるように、その道を照らしたい」
あなたの、『1番星』になる。
「最高のプロポーズだな」
「ふふっ、蓮もね!」
あたしたちは、お互いに照らしあって、これからも生きていく。この先、どんなに辛い事があって、どんなに苦しい事が起きたとしても……。
「夢月、愛してる」
「あたしも、蓮を愛してる」
一緒に、お互いにその道を照らしあって、生きていく。
だって……色んな困難を乗り越えたあたし達を、誰にも、別つ事は出来ないのだから…。
『1番星』END。