一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》


時刻は23時45分。


日付が変わる15分前だ。真夜中だっていうのに、都会の空は眩しい。おかげで星も見えない。


「…………………」


あたし、杉沢 夢月(スギサワ ユヅキ)は無言で、妖しい光溢れる街を一人、徘徊していた。


「おぉっ…可愛いね、君」


「こんな時間に一人で…誘ってるのかなぁ〜?」


知らない男の人達が、ぞろぞろとあたしを囲んだ。


嫌……何……?


あたしは恐怖で体が動かない。そんなあたしの腕を、男が掴む。


「此処じゃ目立つし…。あそこ行くぞ」


そう言って男は、目の前の路地にあたしを引きずり込んだ。


「誰からヤル?おれ、お前の後は絶対嫌だかんな」


「あぁ?そんなん俺だって嫌に決まってんだろーが」


男の人達は、あたしを襲う気らしい。あぁ…あたしは馬鹿だなぁ。こんな時間に、家飛び出して…。








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