一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
それぞれの抱えるもの
あれから2週間ちょっと経った。
豊さんと喜一お兄ちゃんのから、スマホに着信とLINEが何件も入っていた。
豊:早く帰っておいで。心配してる。
喜一:夢月!どこ行ったんだよ!電話してくれ!
あたしは、もうあの場所には帰れない。
大切に思ってくれているのは知ってる。だからこそ、お互いに失う痛みは大きい。
離れていた方がいいに決まってる。
夢月:あたしは大丈夫です。心配かけてごめんなさい。
それだけLINEをして、携帯の電源を落とした。
「蓮さん!朝ですよー」
「……………」
「ご飯ですよー」
「………ん…」
「…やっぱり起きない!!」
最近、こうやって朝ごはんを作って、蓮さんを起こすのが日課になってる。
なんかお嫁さんになった気分。こんな旦那さんがいたら幸せだろうなぁ…。
「蓮さーん…起きてー」
ふにふにと蓮さんの頬を突くけど全然動かない。一回寝ちゃうと全然起きないんだよね。
「お味噌汁が冷めちゃうよーっ」
せっかく作ったんだからあったかいうちに食べてほしい。