一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「夢月、学校で待ってる。ぜったい一緒に卒業しよう?」
「亜里沙……」
たくさん話して、あたしたちは公園の出口で向き合う。
「夢月が話してくれるまで、理由は聞かない。だけど、どんな時でも、どんな選択をしてもあたしは夢月を応援するから」
「亜里沙は、いつもそうだよね」
自分だけ血の繋がらない家族に対して、素直に甘えられないあたしに、亜里沙は……。
『夢月の素直な所があたしは好きだよ、だからきっとお父さんとお兄さんも好きになってくれるって!』
そう言って笑顔でどんな事でも、あたしの背中を押してくれる存在。
「夢月のこと、待ってる人がいるって事、忘れないで」
そう言ってあたしの手を握る亜里沙に、あたしはまだ、返せる答えを見つけられてなかった。
「ごめん、ありがとう、亜里沙」
曖昧にしか返せないあたしに、亜里沙は優しく笑ってくれた。
卒業…か。あたしに、そんな夢を現実にする力はない。なのに、亜里沙の言葉が頭から離れない。
待っていてくれる人……。
あたしにも、そんな人達がいる事を最近になって知った。今まで、あたしはずっと一人で生きていたような、そんな気がしていたから。
あたしは、どうしたらいいんだろう……。