一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「それは、蓮の事ね?」
それに頷く。
「蓮さんは、何も聞かずに、何も話さないあたしに居場所をくれました。それに、優しくしてくれるんです…」
あたしには、返せるものは何もないのに。
「蓮は…この事を知ってるの?」
「あ…………」
その後は何も言えなくなってしまった。
「…知らないのね」
「…………はい…」
あたしの病気を家族以外に話したのは博美さんが初めてだ。
「…これからも話さないの?」
「…はい。蓮さんにまで…あたしの病気を背負わせるような事…できないです…」
時が来たら…静かに姿を消そう。そう決めていた。
「……そう…。これはあたしの意見だけど、蓮には話してあげてほしいわ。蓮はあなたを大事にしてるもの」
「蓮さんは優しいです。妹のように大事にしてくれてるのもわかってます。でも…」
たからこそ……蓮さんには言えない。優しい人だから、きっと悲しむ。俺が気付けばって自分を責めちゃうから…。