一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
そう、豊さんと喜一お兄ちゃんがそうだったみたいに。
「妹として…じゃなくて、女の子としてだと思うわよ」
「…………え…?」
「あんな必死な蓮…久しぶりに見たもの」
博美さんはクスクスと笑う。
蓮さんが…あたしを女として見てる…?
そんな事…ありえないよ。今までだってずっと子供扱いだったし…。
「ふふっ…まぁ全てはあなた次第ね。話すも話さないも…あなたが選ぶ事…。でも、時は有限よ、それを忘れてはダメ」
「…はい……」
あたしは…蓮さんにこの病気の事を話す事はあるのかな…?それを聞いたら…あなたはあたしを追い出すだろう。
それだけは…嫌だった。どんなに嘘を重ねても…蓮さんの傍にいたい。
残された時間、蓮さんの隣で生きる事…。それが今のあたしの幸せ。
「また……来てもいいですか?」
「えぇ、今度は、あなたが治療をしにくるのを待ってるわ」
博美さん………。
あたしは、どうするんだろう。
自分で自分が分からないけど。答えのない毎日、考える事さえもやめてしまっていた問いに、今向き合っている。