一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「…えっ…君、誰……?」
金髪の男の人が目を見開いたままあたしに話しかけてきた。
「…えっ…あ……杉沢 夢…」
「…そういう意味じゃないだろ」
聞き覚えのある声が、あたしの自己紹介を遮った。
ーポンッ。
「れ、蓮さんっ…」
蓮さんに頭を軽く叩かれる。
自己紹介しろって意味じゃなかったのかな?
「夢月、ちゃんと誰か確かめて開けたのか?」
「うん?うん、ちゃんと誰かめたよ」
「いや、こんないかにも危なそうな奴ら立ってたら、空けるなよ」
苦笑いする蓮さんに、あたしは首をかしげる。
あれ、開けちゃダメな人だった!?
「そ、総長っ!!聞いてないっすよ女がいたなんて!!」
「…………………」
でも、なんか仲良さそうだし。知り合いだよね??
「総長~!流さないで下さいよ!!」
「うるせー、もう総長じゃねぇよ。今の総長はお前だろ」
「…いえ!蓮さんは、俺の中の永遠の総長っす!!」
「あー、そうかよ」
な、なんか蓮さんにじゃれる子犬みたい。それに、蓮さんもなんだか楽しそう。
そんな会話にプッと吹き出してしまう。また視線があたしに集まった。