一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「って…いやいやいやいや!!」
すかさず金髪の人が扉に足を挟み、それを阻止した。
「……何だ?」
心底めんどくさそうに、蓮さんは金髪の人を見る。
「何だじゃないっすよ!!蓮さんが倉庫に全然来ないから寂しかったんすよ!!」
え、倉庫??
「たまり場だ、狼牙の」
首を傾げていたあたしに、蓮さんが説明してくれる。
そっか、蓮さんはそこに顔を出してたのかな。でも、最近行ってないって……最近、仕事以外は家にいたような…。
「…………悪い。しばらく様子を見てから行く」
「…何の様子っすか…」
様子……?様子って何の様子だろう…。
「…まさかっ…総長体調が悪いんですか!?」
「…………良好だ」
「じゃ、じゃあなんで…」
あれ……もしかして…。あたしの体調を心配してるのかな?
ここ最近あたしにずっとくっついてて数分単位で体調確認されてたし…。
「蓮さん。もしかしてあたしの体調を気にしてる?」
案の定、あたしの言葉に驚いた顔であたしを見ている。
「やっぱり……。ごめんなさい。蓮さんが外に出れなかったのはあたしのせいなんです」
深々と頭を下げた。蓮さんは優しい…。優しいけど、あたしのためなんかに無理はしないでほしい。