一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「そんじゃあ俺らは失礼するっす総長!」
「……あぁ」
そう言って帰ろうとするタケさん達に、あたしは慌てて声をかけた。
「あ、あの!!」
あたしの声に、皆が振り返る。
あたしの為に時間を裂いてくれる蓮さんに、あたしも出来る限りの事をしたかった。
「朝ごはん、サンドイッチなんです!皆さん一緒に食べていきませんか!!」
「え……」
あたしの言葉に、皆が固まる。
あれ?我ながら良い案だと思ったのに、もしかして迷惑だったのかな??
「やったーー!!」
すると、タケさんがバンザイしながら跳び跳ねた。
「うぉーー!!」
それに合わせて皆も歓び始める。
「夢月……」
恨めしそうにあたしを見る蓮さんにあたしは笑いかける。
「皆と話したら、蓮さん笑顔になったから」
会社に行く度に、辛そうにしてるのを知ってた。帰ってくると疲れた顔をしてるのを毎日見てる。
そんな蓮さんに、少しでも楽しい気持ちになってもらいたい。
「お前………ったく、夢月のくせに、いっちょまえな事言いやがって」
そう言いながら困ったように笑う蓮さんに、あたしも笑いかけた。