一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「総長!ずりぃっすよ!こんな可愛い彼女ー!!」
タケさんが蓮さんにヤジを飛ばす。
「あっ、いえ、彼女ってわけじゃ…」
あたしは弁解して、ふと考える。
そう、あたしは蓮さんの彼女じゃない。ない…けど……。それが、何だか寂しい。
蓮さんは、あたしにとってどんな存在なんだろう。
それに、あたしは蓮さんにとってどんな存在なのかな?
「え!彼女じゃないんすか!?」
「ほんとに居候なのか!?」
色んな人が話しかけてくる。いつの間にか、狼牙の皆に囲まれていた。
わぁ、すごい威圧感!!た、食べられる!!
「な、なら!!俺たちにもチャンスが……」
「ねぇよ」
ーグイッ!!
「ふぇっ」
急に抱き上げられ、視界が高くなる。
「夢月にその気じゃなくても、俺はどうか分かんねぇぞ」
少し低い声で、蓮さんは皆を睨み付ける。すると、その場にいた人皆が言葉を失った。
「夢月、サンドイッチ」
「へ?あ、うん!」
でも、降ろしてくれないんだけど……なぜ??
そのまま、あたしを連れて蓮さんは台所へと向かう。