一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「うーんと、蓮さん」
あたしは、サンドイッチを作りながら、蓮さんに声をかける。
「何だ」
何だじゃない。蓮さんは今、後ろからあたしに抱きついて離れないのだ。
今までじゃありえない蓮さんの行動に、困惑する。
ど、どうしちゃったの!?蓮さん!!
「サ、サンドイッチ、作りづらい…かな」
「そうか」
そうか、じゃない!!心臓もたないから、離してよー!!
胸がドキドキする。蓮さんといつの間にか同じベットに寝るようになってたから、近いのは慣れてきたはずだった。
でも、寝るとき以外でこんなに近づく事なんてない。
だから、余計にドキドキする。
「……お前が悪い」
「あっ、えっ?」
耳元で呟く蓮さんにドキドキしながら、あたしは必死に言葉を返す。
「夢月は、もう俺のモンだろ…」
「えっ、それって……」
蓮さんは、切なげにあたしを見つめる。
蓮さん、それって…どういう意味??
「あいつら、飢えすぎだろ…」
まるで、独り言のように呟く、蓮さんにあたしは慌てる。