一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
ーキキィーッ!!!
物凄い揺れ、大きなスリップ音。
「キャアアアア!!!」
「うああああっ!!!」
ママとパパの悲鳴。あたしは、ギュッとママの座る座席にしがみついた。
そして、眩しいライトがあたしたちを照らす。
ーバンッ!!!
強い衝撃と共に、あたしは意識を手放した。
「可哀想にね、夢月ちゃん」
「でも、うちにはもう3人も子供がいるし……」
次に目が覚めたとき、あたしは、この世で1番大切な人たちを失った。
その実感もないまま、あたしはここまで来てしまったのだ。
だって、誰が信じられるっていうんだろう。
あの日、ママとパパはあたしに笑いかけてくれたんだ。
そんな、大好きな人が、もうこの世にいないだなんて…。