一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》


「誰が引き取るのかしら」

「え、うちも無理だぞ?子供なんて面倒だろ」


嫌だ……。あたしは、ママとパパの子供だよ。誰の子にもならない。


ママは5人きょうだいの2番目で、従兄弟は皆結婚していた。どこに行っても、あたしは邪魔でしかなかったのだと思う。



そこに、豊さんが現れた。


「遅くなってしまってすまない」


ママとパパのお葬式で、海外に出張が多かった豊さんは、ママが死んだと聞いて飛んで来たのだ。


「姉さん……本当に……」


後から聞いた話、末っ子の豊さんは、ママにすごく可愛がられていて、一番仲が良かったらしい。


「君が、宮島 夢月ちゃんだね」


豊さんはあたしの前にしゃがみこみ、目線を合わせてくる。


















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