一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》



―ガラガラガラ…。


「少し…寒くなって来たみたい…」


リビングの窓を開けて空を見上げてみる。


雲一つ無い快晴。


「…ママ…パパ…」


11月1日、二人の命日だ。この日が近づくたび、夢を見て、眠れなかった。


いつだってこの日を忘れる事は無かった…。




「不思議……蓮さんと一緒にいたからかな?この日が近くなっても、寝れなくなったりはしなかったな」



あたしは小さく笑う。それからまだ眠る蓮さんへと視線を向ける。


「…ん…………」


窓から差し込む太陽の光りが眩しいのか、蓮さんが寝返りをうつ。


蓮さん…もう8時過ぎてるのにまだ起きないや。


「…蓮さん…ありがとう」


眠っている蓮さんにあたしは笑顔を向ける。


あたしがこの日を前より辛くないと感じられるのは蓮さんがいるからだよ。


蓮さんがあたしの寂しさも辛さも全部埋めてくれてるから…


「ありがとう…」


あたしも…蓮さんが辛い時、悲しい時は傍にいるからね。


あたしの命が終るその時まで…ずっと…。




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