一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「さて、と………」
あたしは朝食を準備して、机に置く。そして、ラップをかけた。
「あとは……」
紙とペンを、もって、蓮さんに手紙を書く。
蓮さんへ。
おはよう!
今日は少し出かけてきます。
多分、日が暮れる前には帰ってこれると思うから、心配しないでね。
夢月より。
「これで、よし!」
机に手紙を置いて、あたしは立ち上がる。
お墓参りは、毎年1人で行っていた。豊さんと喜一お兄ちゃんも、それに対しては何も言わない。
あたしが、お願いしたからだ。
ママとパパに会いに行く時は、あたしは弱くなる。泣いて、泣いて、叶わない願いを口にする。
唯一、そこでだけ、あたしは弱音を吐けた。
「そろそろ行こう」
コートを羽織り、蓮さんを起こさないように静かに扉を開け、あたしは外へと出た。