一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
《夢月side》



蓮さんの家から1時間、電車で行ける距離に2人のお墓はある。

今年はどんな話をしよう、そう考えていると、毎年あっという間に着いた。


―チャポン。


桶に水をくんで、お墓まで向かう。



「…ママ、パパ」



目の前にある墓石にあたしは声をかける。



ここに来たのはちょうど一年前かな…?


「あれからもう何年も経つね。あたしが白血病になってからもだいぶ経った…」


あたしに残された時間も少ないし、蓮さんといられる時間も……。


―ズキン。


「あれ…?何でだろう…いつ死んでも良いって思ってたのに…」


蓮さんともっと一緒にいたい…。まだ離れたくない、そう思っているあたしがいる。







< 77 / 181 >

この作品をシェア

pagetop