一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「この世界で…あたしが一番頼りにしてる人…」
それから…一番大切な人…。
「夢月…お前……」
抱き着きながら蓮さんの顔を見上げると、片手で顔を覆っていた。
「蓮さん?」
「…優しくなんかねぇよ…。俺は…今更…お前の事を手放せないだけだ…」
出会った頃の無表情が嘘みたいに困った顔をする蓮さん。それに、心なしか顔が赤い。
やっぱり可愛い……。
「ふふっ…」
我慢出来ずに笑うと、蓮さんがムッとしたようにあたしを睨む。
「俺はまだ、怒ってる」
ふてくされる蓮さんに、あたしは笑いかける。
「蓮さん、どうしてあたしがここにいるのか、聞かないんだね」
そう、いつもの優しさ。こうしていつも、あたしの事を待っていてくれる。
「お前が話せるようになってからでいい」
「なら……今聞いてほしい」
あたしは、蓮さんに抱きついたまま、顔を隠すように胸に押し付ける。