一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
かけがえのない大切なモノ
いつもより早起きをした朝、朝ご飯を作ろうと冷蔵庫を開けると……。
「…………………」
買い出しし忘れちゃったなぁ…。これは…買い出しに行かねば今日の朝ご飯が…
開けた冷蔵庫を苦笑いで閉めて蓮さんを起こす。
「蓮さん!買い出しに行ってくるね」
「…俺も行く……。一人で行くな」
蓮さんはまだ寝ぼけているのか、壁にドカドカとぶつかりながら着替えを始めた。
大丈夫…なのかな蓮さん。
あたしも着替えをパッと済ませて買い出しリストを作る。
「…マヨネーズ…豚肉、卵………」
リストを紙に書き出していると、蓮さんが後ろからあたしの手元を覗き込んで来た。
わっ!!蓮さん、近いよーっ!!
「…お前…そんな子供みたいな顔して案外しっかりしてるんだな」
あたしの心の叫びになんか気づかずに、感心したように呟く蓮さんにあたしは笑顔を向ける。
「豊さんも喜一お兄ちゃんも料理が壊滅的で、必然的にね。今だって蓮さんの食生活が心配だから条件反射で!」
そう言うと蓮さんは罰が悪そうな顔をした。
「まぁ、そうなるか」
どうやら思い当たる節があるらしい。