一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「んっ………」
目を開けるとあたしはソファーに一人で眠っていた。隣に居たはずの蓮さんの姿が無い。
「蓮さん??」
蓮さんがかけただろう上着を手に立ち上がる。
「あれ…?皆…いない??」
見渡すと倉庫内には蓮さんは愚か、誰もいなかった。
「…皆どこ……?」
不安になって倉庫を出てみようと扉に手をかけると、扉が勢い良く開いた。
「きゃっ!!」
「んあ?」
驚いて尻餅をつくあたしを誰かが見下ろしている。
逆光のせいで顔が全然見えない。
「蓮…さん……?」
眩しさで目を細めたままあたしは顔を上げる。
「お前…狼牙の女か?」
―グイッ。
「わっ…!!」
腕を引っ張られ、無理矢理立たされる。目の前には知らない男の人の顔があった。
「だ、誰!?」
狼牙の人達じゃない…知らない…人……。恐いよ、蓮さんっ…
!!