一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「…ん……」
目を覚ますと、見慣れた天井が視界いっぱいに広かった。
「ここは…………」
あたし、帰ってきたんだ………。じゃあ、ここまで蓮さんが運んでくれた??
「目…覚めたか…?」
すぐ隣から聞こえた声にあたしは頷く。
「うん…」
横を向けば蓮さんが心配そうにあたしを見つめていた。
ずっと寄り添っててくれたんだね……。あたし……気を失う前蓮さんに酷い事を言った。
蓮さんは助けてくれたのに…。
「…蓮さん…ごめんなさい…。酷い事言って…」
そう言うあたしを蓮さんは抱きしめた。
蓮さん…蓮さんあったかいや…。
「俺が…守れなかったのが悪い…。恐い思いさせて悪かった……」
酷く悲しい声で謝る蓮さんの声が胸を締め付ける。
何だか蓮さんが泣いてるような気がした。
「…蓮さん……。あたし、汚いよね。お風呂…入ってくる」
あの男の人に触れられた所が気持ち悪い。全て、洗い流したかった。
汚い……。蓮さんにこのままの姿で近づけない。
「…夢月、お前は綺麗だ。汚れてなんかないし、俺が消してやる」
そう言って蓮さんは、横になっているあたしを押し倒すような格好で見下ろした。