信じろよ、俺のこと。



「あたしが簡単に騙された、と。」


「ま、そういうこと。

希一焦るだろうね。

夜になっても柚夏ちゃんが帰ってこなくて。」


…………気づいてないってことか。

そうだよね。あたし貴樹と出掛けてる

ってことになってるしね。


…………貴樹…。


全部嘘だったのか…

信じてっていったことも

好きって言葉も温もりも

幸せっていったことも

あのキスも…………。


ばかみたい。なんで簡単に信じたんだろ。




そう思うと涙が溢れた。



< 115 / 170 >

この作品をシェア

pagetop