信じろよ、俺のこと。
「あたしが簡単に騙された、と。」
「ま、そういうこと。
希一焦るだろうね。
夜になっても柚夏ちゃんが帰ってこなくて。」
…………気づいてないってことか。
そうだよね。あたし貴樹と出掛けてる
ってことになってるしね。
…………貴樹…。
全部嘘だったのか…
信じてっていったことも
好きって言葉も温もりも
幸せっていったことも
あのキスも…………。
ばかみたい。なんで簡単に信じたんだろ。
そう思うと涙が溢れた。