信じろよ、俺のこと。



「希一!」


あたしを見て、希一の顔が

どんどん歪んでいく。



「ゆずになにしてんだよ。」


低い低い声で希一が言った。


「見ての通り、人質ってとこ?」


蓮斗はそう言って

あたしの首にナイフを当てた。


「ってことで、希一はこっち来ないでね。」


蓮斗が楽しそうに言った。


「…………ゆずに手出すな。」


「それは希一次第だな。」



希一はそれを聞くと動きが止まった。



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