信じろよ、俺のこと。



「帰ろ。」


あたしは希一の腕を掴んだ。



「ごめんね。

あたしが簡単に信じたから。」



「もとはといえば俺のせい。

ゆずは気にすんな。

それより怪我ないか?」



「じゃっかん今更な質問だね?

どこも怪我してないよ。」


どうやらここは2階だったようで

階段の下にはたくさんの人が殴りあっていた。



「帰るぞ。

白夜は終わりだ。」



希一がそういうと静まり返った。



「希一たちはなんていうの?」


「帝雅(たいが)」


「へー。」


そんな会話をしつつ、

多くの人をすり抜け外へ向かう。



そこに一人、見たことのある人が。



…………拓斗くん…


「希一、彼はどっち?」


「白夜。」


「そ。」


あたしは再び外に向かった。



< 125 / 170 >

この作品をシェア

pagetop