信じろよ、俺のこと。
「白夜をやめるって選択肢は
貴樹にはなかったんだ。
副総長だったしな。
それに、あいつの父親が
初代白夜総長だったんだ。
そんな貴樹がゆずと付き合うのは
裏切り行為だった。
白夜はそういうのに厳しかったから。
しかも相手は帝雅の総長の妹。
蓮斗さんは絶対に許さないだろ。
だから貴樹は白夜を潰すと決めたんだ。
ここまで話したらわかるだろ。
貴樹はゆずを選んだんだ。」
「…………それであたしを拐ったの?
意味不明なんだけど。」
「そこらへんは俺にはわかんねーけど。
でも貴樹はゆずに本気だった。」
「…………信じない。」
「それは自由だけどさ。
それと、貴樹がいなくなった。」
「え?」
「族が潰れるとな、
総長とか副総長は恨まれる存在になる。
下のやつらとか、先代からな。
だから身を隠しているのか
どっかに拉致られてるのか…
昨日から連絡とれないんだ。
学校にも来てない。
もしゆずんとこに連絡が来たら
絶対に俺に教えて。
俺はあいつの友達だ。
あいつのことは恨んでない。
心配してる。頼む。」
「…………あたしには連絡してこないよ。」
「一番可能性高いと思うけどな。
俺からの話はそれだけ。
信じるか信じないかはゆず次第。
ちなみに俺はこれからも彩香の迎え来るから。
会いたくなかったら彩香より後に帰って。」
「まじですか…。」