信じろよ、俺のこと。



「もしもし?お母さん?

めずらしいね。」



「今から仕事行くところ。

早く帰ってくるかと思ったのに

帰ってこないなら何してるのかと思って。」



「あー、ごめん。

友だちと遊んでるの。」



「そう。

それより彼氏いつになったら連れてくるの?

今年中に会わせるっていってたじゃない。

もう9月だけど。」



…………忘れてた…。


お母さん、あたしもう別れたよ。


と言おうとしたとき。



「お待たせーって電話中?」



貴樹が戻ってきた。



「あら、今彼氏といるの?

なんだー、うちに連れてくればよかったのに。」



「や、違うから。」



「あ、そろそろ行かなきゃだから切るね。

ちゃんと連れてきなさいよー?じゃ!」



そう言って電話は切れてしまった。



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