Winter Starlight
『ふーん。んで近くに誰か他にいい男いないの?』

「え〜っ…近くに…うーん…」

周りに“いい男”と言えそうな人が誰もいないわけではないが、改めて言われるとなかなか思い浮かばない。

「あの人も違う…この人もなんか違う…ってか普通に今まで“友達”としか見てない人がほとんどなのに“彼氏だったら”ってあまり想像つかないよ〜」

色々と考えを巡らせているうちに私はその答えにたどり着いた。

『え〜っ!なんだよ〜誰かいないのかよ〜』

「思いつかないもんは思いつかないんだよ。この人が自分の彼氏だったらどうなのかって今まで考えたことなかったし…。
まぁ、でも彼氏だったら、やっぱ話してても一緒にいても一番楽しくて気が合う人がいいなぁって思う」

なんて笑い合って話していた時に、陽太がだした次の言葉は───

『じゃあ、俺は?』

「えっ…?」

『“俺があきの彼氏になったら”って…想像できる?』

携帯の受話器から聞こえたその陽太の言葉だけが、やけにはっきりと耳に残った。
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